エントロピー
エントロピーという言葉は映画や小説、アニメなどにも登場して聞いたことがある人も多いのではないだろうか。
エントロピーとは熱力学で使われる用語で文系出身者にとっては縁遠くむしろ苦手なジャンルの話である。
ところがSF的作品には多く登場するため名前だけは知っていてもその内容についてはぼんやりとしてよくわかっていない方も多いと思われる。
そこで今回のエントリーでは文系脳の持ち主である私が強引に噛み砕いて解説しようとする無謀な記事である。
理系出身者は生暖かい目で見守ることに留意してほしい。
エントロピーとはその状態でありその後に続く語句によって意味を成す。
その続く語句とは増大、もしくは減少だ。
まずエントロピーの増大とはどんな状態なのか説明する。
目の前にブラックのホットコーヒーが在るとする。
そこへミルクを一滴垂らす。
その刹那ミルクは雫の状態を保っているが、次の瞬間にコーヒーへと溶け合ってしまい、もはやミルクの存在を定義することは困難になる。
これがエントロピーが増大した状態である。
仮に垂らしたミルクがコーヒーへと溶け込まずにそのままの状態で在り続けたなら、それはエントロピー変化せずということになるが、およそこの世界においてありえない。
もしこのコーヒーカップの中身のエントロピーを減少させようとしたならば大変な労力が必要になる。
溶けてしまったミルクをここから抽出するにはかなりの技術とエネルギーが必要になるだろう。
もう一つ例を出す。
あなたの住む部屋を、もし掃除や片付けをしなかったならば数日の内に散らかった部屋に変化するだろう。
生活をする上で部屋の中で身動きするだけでカーペットからは埃が舞い、食事をすれば食べかすが口よりこぼれ、何よりゴミが発生する。
そういったものを適切に処理しなければ空間は秩序をなくし混沌とする。
これもまさにエントロピーが増大した状態である。
これもまさにエントロピーが増大した状態である。
掃除、片付けをすれば見かけ上、部屋の内部のエントロピーは減少するがそれに対して消費されたエネルギーは更に多い。
この場合部屋とは『閉じた系』でありエネルギーは外部から供給され、集められたゴミも外部へ持ちだされる。
掃除機をかければ電力を消費するし、人間が活動する際に消費するカロリーもある。
一見、エントロピーが減少したように見えるがそれに消費したすべてのエネルギーを含めるとエントロピーは結果、増大しているのである。
これを『エントロピーの増大則』という。
我々の住む宇宙はこの法則から逃れることはできない。
いつの日か太陽はその輝きを失い、それどころか星としての形を保つためのエネルギーさえも失い、やがて原子レベルにまでバラバラになるだろう。
そうして宇宙は熱を失いすべての活動を停止して死に至る。
此れ、當に『色即是空』也。
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