我らの日本代表の前に暗雲が垂れ込めている。
10月11日に0-2でセルビアに負け、続く15日にもベラルーシに0-1で負けた。
この2つの国はw杯の予選敗退国である。
ヨーロッパの中堅国であり決してサッカー強国ではない。その2国にあっさりと負けた。
あまりに淡々と試合は進み、勝てそうあるいは点が取れそうな気配すら感じることのできぬまま試合は終わり結果として得るものは何もなかった。
勝った試合から学ぶことは多い。たとえ負けたとしても問題点が浮かび上がったりするものだが今回の試合は見事に何も得られなかった。
負け試合から何も得られないのはその試合内容があまりにお粗末過ぎたせいだ。
メンバーは文句ない顔ぶれでコンディションもヨーロッパ組が中心のチームにおいて日本開催よりも地理的に近い地域で移動の負担も少なく無理なスケジュールではなかったはずだ。
試合中も適度な気温で海外ではよくある荒れたピッチでもなかった。
アウェイと言ってもそもそも観客の入りは渋く自国の応援どころかブーイングさえも殆ど聞かれない静かなゲームだった。
あらゆる面で代表チームにかかるプレッシャーは僅かであり言い訳には使えない。
試合を振り返る。
セルビア戦では日本の命綱とも言える左サイドが機能しなかった。
長友が積極的に上がりを見せたが前線で数的優位が作れず決定的な場面は終始作れなかった。
これは長友の出来が悪かったということではなくコンビを組む香川、サポートに回る遠藤との連携が良い時の日本代表と比べると動き出しが遅く、結果的にパスコースを塞がれて後ろに戻す形になった。
右サイドも同じように内田、岡崎の連携は悪かったし、そもそもタクトを振るう遠藤の出来が今ひとつだったのが大きい。
そして守備面でも以前からの課題である軽いディフェンスが目立ち、多くのピンチを招くことになった。
![]() |
ベラルーシ戦での失点後 |
1点目は最終ラインできっちり体で止めず中途半端な守備になったところを体を入れ替えられ失点につながった。
敗因を簡単に言ってしまえばセルビアにガッチリとブロックを固められそれを崩せなかったばかりではなく、中盤でも激しく体に当たられてまともにボールキープできなかった。無理な形でシュートを放ちそこからカウンターで責められる展開が終始続いた。これは完全に日本代表が苦戦するパターンである。
正確なデータは無いが感覚として日本代表は欧州のチームと相性が良い。
南米のチームとの試合は赤子の手を捻るように、けちょんけちょんにやられてしまうことが多いがなぜか欧州の強豪チームとは良い試合をする。
大敗することも少なくジャイアントキリングすることもあるのはやはり欧州の強豪の対してだ。(もちろん例外もある)
考えてみれば欧州の強豪は日本戦でガチガチに守る戦術を取ることはまず無い。
前がかりでガンガン攻めてくる。
それを組織の力で必死に守り、カウンター一閃というのが日本が起こしてきたジャイアントキリングの正体である。
この戦法を今回は逆にやられた。
アジア予選でもよく見る光景ではあるものの、やはり相手は欧州のチームであり、甘い守備の隙を付く決定力はさすがで危ない場面ではきっちり決めてくるのがアジアとの底力の違いか。
ベラルーシ戦もほぼ同じである。
セルビア戦の悪いところをそのまま引きずった試合内容で振り返るのも腹が立つ。
途中3-4-3に変更したがその直後ハーフナーを入れたことで4-2-3-1にまた戻すというなんだかわからないザッケローニマジックを見せ付けてそのまま負けた。
この2試合で気になったことがある。
チームの一体感の無さだ。
特にぴりっとしないディフェンスラインで、いつもなら最後尾から川島さんが鬼の形相で終始怒鳴っているのだが、この2試合でその様子は見られなかった。
4年前から殆ど変わらないメンバーのマンネリ化がチームの一体感の無さの原因とするならば、新たな血を入れる覚悟をそろそろザックは決意しなければならない。
あるいは前回の岡田監督がそうであったように理想を捨て、なりふり構わず勝つことだけを主眼にした緊急手術も必要になるのは仕方がない。
岡田監督のようにアンカーを入れろとは言わないが現実を見るとやはり日本代表が結果を出すにはカウンターしか無いと思う。
結果のでない3-4-3に固執せずつまらないサッカー、アンチサッカーと言われようが、ガチガチに固めた守備からの切れ味鋭いカウンターで勝つチーム作りをしていただきたい。
0 件のコメント:
コメントを投稿